2023年7月28日

慈善行為論

自分が立派な行いをしているかに集中し、他者が自堕落で悪徳に満ちた不誠実な振る舞いをしていてもそれら全てを反面教師にし、無視しなければならない。自分が相対的に優れていれば、周りの人間は全て低徳で自分に害をなす人々のはずだが、それら害ある人々を遠ざけ、また自分からも遠ざかり、決して関わるな。関わらせるな。
 親切が仇となると覚え、下賎な人々を助けてはならない。下賎な人々と同じ空間にいたり、似た場にいたりするだけで悪影響があり、彼らを決して救えないからだ。情けは他人の為ならず、という諺は全く事実に反し、寧ろ人助けをするほど自身に禍がふりかかる。これゆえ慈善行為を単に趣味の領域にとどめ、中庸を守るべきで、その報いがあると考えてはならない。慈善行為とは自身が悪徳の持ち主らからの一方的損失をこうむるのみであり、感謝などされず、信じがたい冤罪を受けたり、恩知らずにも逆恨みされたりするものだ。