2023年7月11日

神格

僕は二十歳はたちの頃、
無謀な計画を立てていた。
それは神の如くなりたいという夢だ。
僕には人間界は下らな過ぎ、
そこに耐えられるとも思えなかったのだ。
今風にいうとギフテッドの一種で、
誰も同類がいない様に思えた。

だいぶ大人になり、
今でもその思いは続いている。
僕はさも堀井雄二が作ったドラクエの世界、
糸井重里が作ったマザー2の世界の様に、
なにかしら、新世界の神になれるかもしれない。
でもそれは飽くまで幻想で、
JRPGのつくりてとしての話だ。

小学校の文集にも書いた。
将来の夢のひとつ。
「ゲームクリエイターになって子供に夢や希望を与えたい」と。
僕自身がその様に先人から救われたからだった。

結局、あなたは唯の人。
神になろうとした僕とは違う世界の住人で、
むなしい悪徳によって自滅してしまった。
ともがらのいない僕は天涯孤独のままだが、
それでいいのかもしれない。
もし自分が神の如きものなら、
その様な最も孤高の存在になりたかったのだろうから。