感覚が悪い人は、他人がいいと言ったものをほめている。ところが一般大衆も似たり寄ったりに鈍感なので、彼らは悪趣味のもとで生きる。感覚がよい人と日常をとりまくあらゆる審美的要素が異なるのはこのためだ。
実際、感覚がよい人と接してみれば種々の快適さに詳しく、細やかなのが分かるだろう。
鈍感な人は敏感な人へ「センスが悪い」といい、酷いものを審美的に優れていると勘違いしている事がある。それはそもそも鈍感な人の感受性が低いからだ。
甘いものを苦い、熱いものを冷たいという。天才を凡愚のよう扱い、凡愚を大天才かのよう嘯く。
鈍感な人に美しさが分からないのは事実である。