「童貞」と言って相手を侮った気になっている人は、一生の範囲でまことの愛を得られない。その人の中では性愛がただの肉欲と混同されているからだ。 東京、京都など退廃都市に純潔主義を侮る者が多いのは、「粋」とか「物の哀れ」などと言っていた様に、遊女や芸妓、皇族辺に性の商品化や自堕落な多妻状態がはびこっており、下流も上流も反性道徳に汚染されてきているからである。尤も彼ら自身は逆にその退廃に好んで住みつき、なじんで誇ってすらいる。