意識の起源は社会性であり、ヒトが他の類人猿あるいは哺乳類に比べ、理性的な行動によって無意識あるいは本能に基づく行動を抑制し、向社会的にふるまう方が適応的な条件のもとで選択されていった脳の特徴である。特に、ヒトにおいて一般によく発達している前頭前野が司令塔のよう倫理的・道徳的な利他行動をはかるよう自己の無意識や本能に逆らって指図する時、自己犠牲を典型例として、意識のもつ向社会性が発揮されるといっていい。