2022年5月4日

そら

もし宇宙になにもなくとも
ただ一つ美しいものがある
それは君をおいてほかにない
だが君は宇宙にとりのこされた難破船ナンパセン
今では残骸ザンガイになって無惨ムザンな姿をさらしている
もう宇宙は忘れてしまった
君という名の星があって
それはこの上なく輝いていた
君という名の星の上に
無数の星々がまたたき
君のとむらいをしている
今では自分一人しかいない墓場にて
ただ一つ美しいはず君の姿を
無限に広がるそらがおおっている