2021年5月9日

天下の悪例、東洋主義の色眼鏡

欧米人達は通例、『平家物語』という傑作がすぐ隣にあるのに、『源氏物語』なる世紀の駄作を日本文学の古典だと思い込んでいる。彼らは軽蔑すべき人間だ。これは完全に東洋主義の色眼鏡によっているからだ。
 アジアを民族・種族主義的に劣等視したがる悪意を無意識に持ち、中世に一時興隆した西洋を永遠の文化帝国と信じている彼らには、日本人なるものが女々しく、虫けらの如く性奴隷視し易い存在である方が、雄々しく気高い武士道の描写より、通常、心地よいのである。

 本居宣長や小林秀雄、茂木健一郎まで、この種の自堕落な腐敗政治下の京都かぶれに違いない。そこには天下の悪例という以外、何も参考に足る部分はない。

 尤も彼らが『平家物語』の真価に気づいてからも、その評価には同じ色眼鏡をかけ蛮族の様子と言いたがるだけだろうが。愚か者、卑しい者はどこまで行ってもそうなので、人間性について何も期待できないといいかえた方がいいだろう。勿論かれらに文学など何もわからないのだ。
 そこまで日本語が読めていない人々から賞を貰ったので権威と思っている連中は、全員、古今東西の全文学に通じていないと確信していいだろう。どの言語であれ文字が読める人には分かる事が彼らには分からないのだから。