2021年5月12日

陰謀論者の起源について

分かり易い物語、小説、神話、噂や腑に落ちる小話にしがみつき、歴史の実証的考察を怠る者は、しばしば悪意ある作り話の本、当時の政府・政党・王侯らの捏ねあげたご都合主義の虚妄、ウィキペディア、大衆新聞・雑誌、漫画・アニメ・ゲームやインターネットに書いてある嘘を信じて疑わず、人を焼く者と本質的に同類だ。

 愚かな人々はあらひとがみ、教祖、象徴、偶像・アイドルといった人型の姿が具体的な行いで示す方法でしか、抽象概念をろくすっぽ認識できない。このためなにか超常的な言動をしているとかれらには信じられている祈祷師・占星術師・占い師・メンタリスト、なんらかの特殊な個性を示す芸能人や、過去になにごとか功名ある封建領主の末裔らを、無条件に上位者扱いしたがる。
 かれらがときに父権(男性特有の権限、と彼らが信じるもの)へ妄信的にこだわるのは、おもに力ある者、権力者へ依存し、意思放棄で保身したがる中世的な心理作用の現れ、と考えられる。

 日本国内で、人気あるユーチューバーやインフルエンサー(SNS上で影響力を持つ者)の言説をうのみにする衆愚的な派閥、あるいは男系派の如くどうみても人権侵害にすぎない中世京都・近代東京での蛮習をごり押ししている極右がいるのは、そういった思考停止による退行的心理が、一部の民衆に残存しているからではないか。