登場人物:お月さま、しろ、くろ、ことば
場所:日本国茨城県北茨城市、長浜海岸の砂浜の上
時:令和時代、大海原の真上に月が架かる、涼しい秋口にあたる晩夏の一夜の束の間
お月さま「あるひ、できごとはそのとおりになった。わかっていたのは、それだけ。いつか、そうなってしまっていた。だれもそれをしらなかったし、しるよしもなかった。できごとは、そこでとどまったとはいえなかった。いつしか、それがあたりまえになり、だれもうたがわなかった。
とおくとおくの時代に、おなじ様な事があった。だからそれできめられたとおりかもしれないし、ちがったかもしれない。できごとがそういとなまれ、らしくとどまっていた。ものごとがそれほど続けられていたって事さえ、だれにしられてたかさえわからない。できごとはそこでとどまっていたし、どこにも行かなかった。いつか、できごとがおわってしまう前に。どうにかして、それをしれればよかった。わかっていたのは、それが全てという事だけ。わずかに、しずかにできごとはとまっていた。誰からしられているかもわからないし、わかっているのはできごとの合間にある事だけ。だから社会はそこにとまっている筈、と分かっていた。いつか、そうなってしまうわけときまっている。いつでも、そこにまっている。わかっていたのは、それで全て。
それから、わずかずつ社会は動き続けた。どれほど大昔からそうだったのか、さえしられてない。いつから、そうなったのかさえ。
徐々にできごとは動きながら、同じ所にもどるだろう。どんなに確かなのか、どれほどうつつなのか人々はしらなかった。いつかそれがしられてしまえば、わかっていた通りにそれらがうつっていく。変わり続けていく。だから、確かに物事はそうして決められていた。僕らはきづいていた。いつか社会がいれかわりつつ元通りになるだろう、と思われていた。わかっていたのは、わかっている事の全て。だから、それでいい。どれほど過去からでも、今日という日まで続けられてくるに違いがなかった。できごとがそうきめられているって誰かが指定したかさえ、あやふや。わかっていた。わかっている、とされていた」
しろ「できごとはそうしてきまってしまった。別に真実かさえわかっていない。どうしてそうなるのかさえ、わかってない。実際には、どれだけ変化があるのか、どれほど広がっていったできごとなのか、誰もしらない。誰にとってしられている訳でもない。わかっている事は、事実に違いない。誰にとってさえ、それで。我々がはっきりとしっている、事さえ。どちらに向かって進んでいく。できごとがそこでとまっている訳じゃない」
お月さま「わずかに、できごとはうごき続けた。できごとがそうなってしまったというだけ。いつでもそうなってしまったというだけ」
しろ「どうして、そうなってしまったのか。わかっていたのは、それで全て。わかっていた事の全てさえ、そうしておわってしまっただけ。
ことばは回りつつ巡りながら、元に返っていった。気づくのは、それで確かというだけ」
くろ「いつか、確かにそうなるだろうよ。わかっている事の全て、さえ。いつでも、きまっていたのだろう。いつでも、それは。できごとといえば。きまっている、きまっていた。それだけの話、だって事。
もし、できごとがきちんとそれできまってたとしたら。わかっているのは、現実かそれ以外だろう。いつしかできごとが元通りになるはず、と願われている。わかっていた事の全てさえ、こうなる筈ってわかっていた。できごとは、そこでとまってしまった。
いつでも、こうしてしまった。こうなってしまったって事になるだけ。笑ってしまえる位、世界は動きつつ一つになろうとしていた。誰に向けての、あり方なのかさえ。いつ、そうなるのかさえ。わかっていたのは、そうなる筈という事だけ。いつでも、いつなんなりとでも。誰にとってきまったのか、わかっているのか。どうしてそうなってしまったのか、誰もしらないし、誰にきまっていたのかさえ。いつでも、そうなる筈と。わかっている、わかっていた、というわけ。いつしか、できごとはそうなってきまってしまっていた。だから、できたら、できごとはきまった通りに元通りになる。わかっていた事にちがいない。わかった事の全て、さえ。だから、君はきづくべきだった。でも、確かにきまっていた。きまっていた。わかっていた事の全て、さえ。どちらにしても、宇宙にちかづいていった。宇宙に待たされていた。どこであれ、それは待っていた」
ことば「お月さまがおわる。お月さまの流れが、いつかそうなる筈だって。どうしてそうなったのか、さえ。気づいていた。気づく筈だった。わかっていた、だから、それで当然だろうと。いつしか、遠くに眠っているまことに悟る筈だろう。わかっていた、事の中で」