卑しい人々は不徳のゆえ自存できない。他人へ絶えず精神的に依存し、陰に陽に迷惑をかけても気づかず、仮に気づいても反省せず負い目を踏み倒してしまう。或いは不徳な人々とたかって不幸の連鎖を喜んでいる。
賢い人に愚かな人の考え方は通常、わかりづらい。そして愚かな人は己が既に上位・下位で動かしがたい地位だと自明に思い込み、よきに見習うにせよあしきを退けるにせよ、異なる考えから進んで学ぼうとしない。そして愚かな人は決して度重なる忠告をききいれず、逆上するばかりか、自業自得で失敗を繰り返してもまるで自己反省できない。
愚かな上に卑しい人はそういった自滅のあとで、善意で助けてくれていた人々を、彼らを見下し放置していた人々より逆恨みさえする。卑劣な者の周りでは慈悲をかけてきた恩人がしばしば犠牲になるのはこの為である。大変卑劣な者は飽くまで利己かつ害他的なので、他人を利用価値としか見ないのだ。