2020年12月1日

性悪と性善

性格の悪い人と性格の善い人は水と油で、性悪のねたみ深く卑しい利己性が、性善には寸分も想像できないし理解もできない為、ほぼあらゆる意思疎通ができない。
 性悪は動物の中でも極めて人に害のある生物、害獣の如くだが、性善は慈悲を以て接してしまうので被害ばかりを一方的に受ける事になる。総じて性悪は死すべき者で、不幸になるべき者なのだが、その文明の道理を悉く破って己一個の為に性善的な人々を犠牲にしていく。そしてそれゆえ性悪は恨まれ、憎まれ、嫌われ、厭われているにせよ、根っから他人の為を思いやる能力に欠けているので、その事に気づいていようとも単に彼らと利害の意図を別にしている自然界と同然にみなし、基本的になんとも思っていない。
 性悪はこの意味で、仮に或る文明内部で生まれ育っていても、蛮族に違いなく、特に日本の都会で生まれ育ち暮らしている人に関しては大概、己の悪意で自らを文明風に偽装する狡猾な手段をとって性善な人々を騙している。先進国あるいは第一世界などと称する擬態も、同様の働きに与する。