2020年7月6日

正義は詭弁を排する

匿名ツイッター民という人達は昔でいう2chねらーと同類で、要は責任回避しながら適当に荒らしている人達なので、その論理は凡そすべて詭弁である。彼らの行動原理は「論破」を是としているひろゆきと同類で、アテナイ滅亡の一素因だったソフィストと全く同種の人達といって過言ではない。
 まともに匿名ツイッター民を相手どってはいけない。彼らは悪魔的な衆愚で、もしその中に幾らかの善人が紛れ込んでいたとしても、大多数が群れる為に群れるので、想像を超えた最悪の選択肢へと雪崩を打って堕落していくものだからだ。これが匿名衆愚がはびこる様になったウェブサービスの法則でもある。
 多数政治が腐敗した一因とソクラテスに批評されたソフィスト(知恵者、詭弁屋)らは、現にひろゆきとその手先というべき2chねらー、5chねらーらがそうしている類の、詭弁術をなりわいにしていた。ちなみにピグにも喧嘩師とよばれる詭弁術の集団がいて、彼らは言葉で相手をやりこめる事が目的だった。
 精確に言えばプラトンによって描かれたソクラテスが、ソフィストの無知を暴いていったということになるが、詭弁屋の問題点は、哲学的精神の欠如だ。
 詭弁術で相手をやり込める事は、プラトンの考えでは、正義を失わせる。日本でいう「勝てば官軍」では、単に暴力でまさるのが目的になってしまう。

 ソクラテスは詭弁屋らに立ち向かい、彼らは本当に大切な事は何も知らない、単に言葉遊びで相手を論難させるだけでは真理、特に正義に到達しないと実証した。彼の毒杯は当時のアテナイ人一般の風習への抗議行動と解釈できる。
 現ツイッターでもソクラテス的に行動すればすぐ、集団虐殺されるだろう。
 日本語を操る匿名衆愚の得意な詭弁は色々あるが、例えば多数派に訴える論証がその一典型で、皆がそう主張しているからなど公然と言い放ち、ある命題の真偽またはその善悪を見誤らせようとする。当人達は悪意と習性でいきりたって相手を攻撃したいだけなので、どんな嘘でも使うしその責任はとらない。
 匿名衆愚あるいはそれに類した「東京文化人」的な詭弁として、ほかにも馬乗り(マウント)詐術の様なものもある。学歴とか経歴とか、自分は何なに大学の学長補佐だとか博士だとか教授だとか、全く命題自体と無関係な事象の後光を濫用し、自分の論理を権威づけようとする。これは唯の脅しにすぎない。
 プラトンがソクラテスの死から学んだのは、正しい国を作るには、先ず哲学(知恵の友愛)的に真理探求からはじめなければならないという事だったのだろう。先生のかたきというべき詭弁術を飽くまで排する目的で、独特の立場から詩人追放論、画家無用論をするなど、詐術になりうる作り事もプラトンは非難した。
 虚報とか改竄とか、安倍晋三の元にある現国政の退潮は甚だしいものがある。プラトンが現日本政府をみたら、恐らく非常に義憤を感じ、激しい口調で攻撃したに違いない。国会に正義は寸分もなく、一様に詭弁が支配している。しかも民衆の方もそれに歩調を合わせるといった仕草で、国全体が骨抜き状態だ。

 東洋に孔子がいた時代も、西洋にプラトンがいた時代も、今日に名を残す偉大な理想主義者が出現した時期は、国政が乱れつつあったのだろう。航路を正道にもどそうと重要な政治思想がうみだされるのだろう。
 そして現日本は正にその時期といえる。衆愚政治に翻弄され難波した国の舵を握る必要がある。