宮台真司という人が、安倍晋三氏について興味深いことをいっていた。曰く劣等感の塊だと。親族は皆東大卒の家なのにかれは勉強できない劣等生なので、挽回の為さもしい権力にしがみつく云々と。かなり断定的な分析だったが、確かにその線で考え直すと、なぜ彼があの様な行動をとっていたのかも分かり易くなる。
ヒトラーは画家として挫折し、当時ドイツを覆いつつあった大不況下での共産主義に対抗し、絶対政治による極右独裁を志向した。彼も動機そのものにはやはり自己効力感の喪失があったのではないか。
安倍氏が権力亡者になったのは結局地頭が悪いからで、その劣等感を独裁で自己否定する為なのだろう。
第三者からみると「なぜそんなできが悪いのに、不相応の地位にしがみつくの?」と疑問でならなかったし、実際、不適材不適所なばかりかお先真っ暗な亡国状態に等しいのだけれども、彼個人がその種の劣等感ぬぐう目的で日本政府をのっとったと考えると、全てすっきり見通せる。独裁者は動機がしょぼい。
裏を返すと、彼を猛烈に支持している人達は、おそらくだがその種の劣等感に共鳴している可能性があるだろう。安倍氏の経済政策は新自由主義でTPPとか移民導入とかどうみても保守のそれではないのに、二重基準でアベシカイナイを連呼してたのはそういうわけである。おつむ弱いからこそ安倍支持なのだ。
そうすっと、自由派に比較的知識層が多いとて、彼らが上から目線で「安倍は馬鹿だなあ」とかいってるだけで、劣等感に駆られたネトウヨはますますパヨパヨ発狂し、独裁者を猛烈に支持したくなると。極めてわかりやすい構図でないか? ジャイアン支持のクラスメイトなぞ存在自体に想像つかなかった。
常識的に考えると、クラスメイトはアホな独裁者に愛想つかしながらも逆らうと殴られるから仕方なしに、表向きアベアベいってると想定される。これは北朝鮮に関しても日本に関しても中国に関しても、下手するとアメリカも同じである。が。上記分析によれば自主的に、さもしい劣等感で安倍支持がいる。
残念ながらスネオがさらにひねくれた様なみじめな人間性について『ドラえもん』は描いてくれなかった。しかし自民党に進んで投票している約2000万人、安倍晋三氏に票を与えてる山口4区10万4825人とかに、その種のさもしさが多かれ少なかれあるのはおよそ間違いなさそうだ。ほか納得できる分析がない。
いまにしておもうとトランプが既得権に勝ってしまった現象と、第二安倍政権から姿を現した国政劣化は実は帰一で、同じ事は英ボリス政権にもいえるだろうが本質的には、反エスタブの潜在的恨みがマグマ状にたまっているのではないか。新自由主義の反動で。ダメ独裁志向は劣位者の反抗なのではないか。
きくところによると、いわゆる教育程度が低い或る家庭では、ウソ抜きで安倍シカイナイ、自民以外ゴミ、中韓は極悪(なぜなら日本をディスるから)みたいな、ガチネトウヨ政治観が信じられているらしく、それが本当なら日本は必然的に第二ナチス、第二大政翼賛会に牛耳られてるんだろう。
安倍晋三氏は、多分IQが平均くらいあるとなんて勉強できないんだとおもう相手だが(例えば「私が国家だ」とか「私は立法府の長であります」とか)、その点が逆に、PISAの成績もおちてきたゆとり世代以下についていける程度の低学力さだったということなのだろう。国民知性の劣化が安倍支持率に現れる。
冒頭の宮台氏は日本は終わりみたいな説を述べていた。大抵できのいいひとらの一部は既に、国外脱出を推奨してるか、実際シンガポールみたいな租税回避地に移民している。できの悪いのが出て行ってできのいいのが残ればよりよくなるだろうに、その逆なのが恐ろしい。しかも奴隷扱いの移民まで呼んでる。
まあ超絶逆張りすれば、国民一般が勝手に劣化してくれるのだから、少し前の水準で普通くらいの能力でも国内なら楽勝できる様になるはずだ。この意味で脱出派は半分誤っている。
安倍独裁は勝手に国政を途上国化させてくれたが、リバタリアン的に考えられれば必ずしも悪くない結果なのかもしれない。