2019年11月23日

鳴り続く波の音

もし君が
永遠より長い憂鬱の故に
誰もいない宇宙で
一人さ迷っていても
もし君が
普通にすらなりえない
何もない星の中
一人うつむいていも
時は何事もなく過ぎ去り
辺り構わず降り注ぐ光が
命を残さず映し出し
やがて闇に返してしまう
誰も見ていない間にも
鳴り続く波の音
もし君が
時には退屈のあまり
この世をうらんでいても
ひとけのないこの世界で
時には絶望のあまり
生まれたことを嘆いていても
だから静かに
僕は死に向かって突進する
あたかも自由の最後の目的が
自分を作り変えることかの様に
分子にかえ
もし君が
誰からも忘れられた土くれとして
永遠の眠りに落ちていても
大きな地震と共に
その体は生き返る
地球が跡形もなくなっても
鳴り続く波の音