MMTって要するにお札を沢山刷って市場を金余り状態にして、政府が大赤字でも問題ないという意味だとしたら、日本の自民党政治がそのモデルであって、実験場にされてるのは間違いないと思う。いいかえれば貨幣インフレを政府が起こしても国民が文句いわなければほぼ無限に財政出動できるかもしれない。
で、日本人一般がなんで文句をいわないかというと、第一に金融的に無知な国民で、資本主義のしくみを高等教育までの学校で教えない。経済学部か経営学部に行かないとほぼ何も分からない金融愚民化が「日本の普通」だから。つまり国民が自国通貨を水増しされ損しても、従順なら問題ないかもしれない。一方、保守的金融論者(ここではMMT否定派)は政府の財政収支が極端だと巨視経済的に不健全かつ破綻する可能性がある、又は、そもそも国民が自国通貨を水増しされて損するのはよくない、という観点でMMTに反対している。そして大抵の国々はこちらの立場なわけだ。だから日本にやらせようというわけだ。
自民党は小泉・安倍の両政権で、米国政府の犬といわれるほど当時の米政府に追従的だと長期政権になり易いジンクスができてしまっていて、米国人の日本操縦者の言いなりになりがちである。日本国民一般は自民党依存だから、端的にMMT実験場として使われることになりそう、予定調和の一部という話です。
以上の論理が正しければ、今後、日本人で金融知識がある人は、資産家なら先ず自分の資産を米ドルや暗号資産等に逃げさせた上で、MMT実験が成功するか見届けることになる。つまり我々がすべきなのはハイパーインフレ含むあらゆる将来の可能性を検討し、反省的にその世界史的意義を理論化することでは?
因みに無資産か低資産で金融知識がある人の場合、MMT実験は利益があるかもしれない。財政支出のおこぼれが来るかもしれないから。しかもデフォルト(財政破綻)より低リスクな反政府活動の一種として、無政府主義者とかリバタリアンにとっても好都合かもしれない? 政府の信用度を落とせますからね。保守的金融論者の説が正しければ、政府への信用の目安として日本国債は格付けを落とし、国民全体の貨幣価値も減価し、政府の無用な支出によって企業の効率が低下し、政府との癒着で市場は不健全となり、MMT実験は失敗する。しかし本当に隈なくそうなるかは実際にやってみないと分からないわけですよ。
MMT実験のごく楽観的シナリオを想定してみると、福祉の玉手箱みたいに幾らでもお札を刷れて、自民党と土建屋の癒着関係で東京五輪みたいなのをほぼ無限に作れて、国民は無知のお花畑の中で日本政府万歳を三唱していると。いわば戦後スキームを延長できる可能性があると。自民党員には好都合でしょう? 自民党員にいわせれば、彼らは高い給料を国税からもらえないと無職に逆戻りし兼ねない以上、国家百年の計とか実質どうでもいいと。自分の死後に日本国の政治経済が三流になってようと自分の生前に議員給与をもらえたらいいのだという人が自民党に入ると思う。高い志をもっていたら保守政党は選ばない。偉い議員が自民党議員に説教してみても、根本的構造は、上記の米国追従長期政権と戦後体制の延長、そして国民を愚民視した上で貨幣インフレ込みで財政支出の玉手箱が欲しいという話でしょうから、それは不誠実な短期政治でしょうが、構造自体は変わらないと。ですからMMT実験は世界史への挑戦です。
私個人はMMT否定派(失敗する可能性の方が高い様に見える)ですが、実験場として日本市場を使おうという日本操縦者の冒険や、ステファニー・ケルトン氏含むMMT推進論者の意見が正しい可能性もありうるので、少なくとも批評をくり返しつつ、最悪の場合デフォルトさせれば日本政府自体を維新できますよ。
自民党政治が計画経済をくり返してきたのが事実で、その極端な姿をとったのが第二次安倍政権の平成末だった。自民党は財政支出込みで経済を考えてきたので。
安倍政権は企業国有化、国債の日銀引き受け、赤字財政の拡大など禁じ手を連発する日本経済破壊の急先鋒なので、反政府勢力には好都合です。反政府勢力にも色々いると思うが、日本政府を破綻させる前提として国内経済を弱体化すれば社会不安が醸成できるので、安倍内閣や自民党支持者がどんどん自殺点を入れてくれるのは渡りに船。そして滑稽なことに自称保守派が自滅していっていると。心ある人は憂国の情をもつ状況だろうけど。どっちかといえば、安倍政権を利用して日本政府を完全に破綻させる方に目いっぱい全日本人を崖から落とした方が、国の長期的な再生の為じゃなかろうか。明治~令和政府を薩長藩閥と天皇政治の悪例として一括りにできる可能性が高いし、自分としてもその方がいいな。
山口4区の人らは気づいてないのだろうけど安倍晋三氏は本当に、反長州派に好都合な男だよ。ここまでダークトライアドじみた人間を国政に送りつけてたらますます評判を悪くするんだから。恐らくいざ反動がきたら明治維新の否定もはっきりした形をとると思うよ。