2019年5月30日

マクロ経済は操作できない

政治家も一般人らも、勿論経済学者も投資家もマクロ経済など全く予想も理解もできていないのに、天下国家を語りそれが左右できるかの如くいう。これらはみな当人の思慮不足からきている。本当にできるのは市場を放任すること、今あるか将来起きる公害を防止することくらいで、政府に経済を語らせるのは完全に勘違いでしかないのだ。市場で起きた非効率は市場自身の失敗に過ぎず、政府の失敗ではない。政府は税収をいかに最も恵まれない人の利益の最大化に使うか、調整だけを考えていればいいのであり、そこに金儲けの手伝いを頼むのは全くの勘違いである。
 使い古された言い方をすれば計画経済は不可能だ。同じく、マクロ経済は操作できない。政府が下手に市場をいじる結果、新たな非効率を生み出すだけだ。
 同じ視点から、独占禁止法が正当なのかについてもきちんと疑い直す必要がある。無論、非正規雇用法がもたらした負の影響、二極化による中産階級の没落も全く計画経済に踏み込んだ小泉政権の詐術を明らかにしている。安倍政権が市場に与えた負の影響として日銀による企業国有化と、生活保護・障害年金の切捨てなどによる格差拡大は、市場の失敗の新たな実例をつくりだしただけだ。