2019年5月28日

調整を含め経済と呼ぶ

寄付(喜捨)を含めた調整なしに経済(経世済民)を考えるのは、政治なしに市場のみが成立すると考えるのと同じくらい愚かだ。この意味で儲けることしか頭になく、いかに市場全体あるいは人類全体のうち最も恵まれない人々の福祉をますかが眼中にない人は、事の本質を見誤っている。かねは市場の需給をみたす手段でしかなく、もともと自分の地位を誇示する道具ではない。寧ろこの目的、すなわち配分と調整の両方の効率に適う人が、かねをより多く動かすべきであり、単なる配分だけに偏って経済を考えている人が世間にうらまれるとしたら、蓄財のみを行う悪徳の故である。