2019年3月21日

社会科学は個別社会の分析なので自然科学の普遍性とは違った評価基準がある

「日本の社会科学が国際化できないわけ」渡辺敦子(2016/10/1、Japan In-depth)に寄せて)
論文の同時代までの、または他国での引用率がその論文内容の重要性の唯一の指標ではない(科学ポピュリズムに過ぎない)ことは明らか。また社会科学は自然科学と違い個別社会を分析しているから普遍性が必ずしも重要な価値とは言えないだろう(自然は全地球でかなりが共通)。ここでみられる精神的態度は自然科学の方法を他分野のものさしにしようとする「科学主義」であり、当然それは他分野にふさわしくないとき間違っているから、社会科学の重要な評価基準が引用率だという前提から普遍性への信仰まで、この評論の基本となる部分には科学哲学上の齟齬がある。