2019年3月22日

都会っ子の平均体力が低く軟弱なのは統計的事実

都会人は駅まで平気で10分以上歩くので都会っ子は軟弱というのは嘘と断定的に述べているツイートへ宛てて)
全国体力テスト(小中学生)の成績を見る限り、田舎の平均体力が高く、大都市圏(東京、関西、福岡)の平均体力が低い。
 都市部は子供が運動できる場所が少なく、田舎は広い。北海道の平均体力が低いのは都市部への人口集中度が高い為だろう。
 車使用の慣れ方と、子供の平均体力に相関関係はない。
女子小中学生体力テスト、文科省、全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果、2010年
男子小中学生体力テスト、文科省、全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果、2010年
人口集中度、国勢調査
子供の体力に限って、都会っ子が軟弱なのは、統計的な事実。車移動に慣れているかどうかとは関係がない。
「田舎は広いので車移動」「都会は車庫費用から自家用車をもてる人が少ないので電車移動」が多い、としても、ここから都会在住者・田舎在住者の一般的体力差は類推できない。更に駅から遠い場所に住んでいる個人的事情を組み入れ、俗受けする逆説風に論理がすりかえられている。
 なおこれらの文科省統計に表れた体力差は「平均」であり、個々人の体力を意味しない。したがって都会っ子でも強壮な者はまれにいるし、田舎の子でも軟弱な者もまれにいる。
(冒頭のツイートが「地方勤務の結果」、上述の断定を導いたと述べていることについて)
東京も東京地方、関東地方なので、東京地方勤務、という言い方もできる。筆者は地方と中央、という中華思想的な意味で「地方」を使っているのだろうが、全国から見れば東京もただの一地方である。
 結局、駅までの10分~15分足らずの徒歩移動は、それ以外の遊びに使う運動比率に比べて運動量として明らかに足りないから、単に電車移動が主な都会っ子の体力を増加させえていない、といえるだろう。