芸術界はそもそも天才以外は努力しても無駄だし完璧に不公平だけど、凡人が追随者として再現的な表現をして天才より金儲けたり世俗的名誉を得たりしているので、その意味では商人が暮らしている商業界(これも商才や資本の格差で大変不公平)や政治界(世襲や容姿で最初から不公平)と変わらないな。学問の世界も学閥・学歴の差別や生まれつきのIQの差で大分不公平だし、宗教界も既存の権威に対する出世競争や悟り方の格差があるし、公平な世界があるというのは一種の空理空論であって、現代美術の文法が理解できないからといって単にそれだけを嫌う、というのはただの合理化(いいわけ)であろう。
まあどの世界でも不公平さは殆ど変わらないので、現代美術を知らないまま基礎的知識不足から一生理解できないのを言い訳で糊塗して死んでいく民衆が殆どだからこそ、それを理解し乗りこなしている人達の権威が生まれる。猥褻性を当時の政治的正当性に関わらず問い直すこと如きで逃げてたらきりがない。
天皇皇族が生まれつき最上位で何があってもその地位が変動せず、何をやっても勝てないし努力するだけ絶対に無駄、という制度を、日本人民衆の殆どが絶対的に信仰している政治界の圧倒的不公平さに比べれば、生まれつき天才性が十分高くて運がよければ世界的に成功できる芸術界の方が公平ともいえるな。