2019年3月3日

小沢一郎氏の日米中正三角形論がアジアの時代への移行にとって適応的

枝野氏という立憲党首に問題がある。大局が見えてない。小沢氏が無私の大義を語っているのに、枝野氏は当人が狭量だから、小沢氏が政権を執る為の策謀で野党団結といっているのだろうと下衆の勘ぐりをし、比例代表選での協力を拒否している。それが結果的に安倍独裁強化への自殺点になっている。枝野氏は自分が首相になる為の私心で政治をしている、ということが一連の対応でわかるので、自分は小沢氏を全面的に支持し、立憲民主党の党首交代を要求したい。枝野氏は安倍政権の独裁を一刻でも早く停止するという第一課題を理解せず、取らぬ狸式に政権交代後の自分の地位を心配している小物である。何とか選挙までに枝野氏を首にし、立憲民主党を野党団結に向け再起動しないと、自民党支持者側はばらばらな野党を弱小勢力と馬鹿にして、自民党支持をあきらめようとしないだろう。枝野氏が党首で勝利できるならそれでいいがその様には見えない。当人のカリスマや党勢が弱すぎ、公徳が低いのが原因。
 思うに、枝野幸男氏は政権交代を定期的に繰り返すのが一党支配の腐敗防止に有効だ、という二大政党制なり多党制の原則をあまり重視しておらず、しかも自分が政権交代後の新政権下で小沢一郎氏の方が公徳が高いと、自分の独裁にとって邪魔になりうると考えている。
 最善の政体は最高の公徳の持ち主が最大の権力を得た状態を指すのだから、枝野氏は「それなら小沢氏に地位を譲ろう」と考えるのが本当に正しい政治のあり方だ。中国では尭と舜の伝説として禅譲が語られてきたが、日本史の中では現に徳川光圀や慶喜がそれに学んで似た譲位をしている。(光圀の子は高松藩を継ぎ、御三家の家督は兄の子に譲った。慶喜は最後の将軍の地位を捨てて天皇の下に全国統一政体を作ろうとした)
 自分より公徳の高い人が他にいるなら、その人が政権を持つべきなのであり、権力闘争によって自分の我意を押し通してみたところで、よりよい政治ができる筈もない。この意味で枝野氏は政道を踏み誤っていると自分は思う。もし小沢氏の公徳が枝野氏より低いなら政権交代後に恐れるべきなのは自民党だろう。
 安倍晋三氏が覇道というべき独裁政治を行っているのは今日明らかだが、上に書いた枝野氏の分析が確かなら、彼の本質にある考え方もそれと大して違いがない。だからはっきりと安倍氏と違う善政を示す将来像が描けない。小沢氏の日米中正三角形論がアジアの時代以後の未来へ狭い門で、正道なのは確かだ。沖縄基地問題が最も典型的なものだが、安倍氏(岸信介も含む)や自民党は、天皇ともども、日本を米国の属国化することで保身をはかっている。米国政府は親米の藩屏として日本を中国の盾にしているからだ。安倍氏の改憲は自衛隊を米属軍に改造する最後の総仕上げで、結果、自衛隊員は米国の為に死ぬ。日本の軍事的独立は米属軍として自衛隊を位置づける策謀によって回復される地位ではない。岸信介以来、自民党が辿ってきた米国属国化の構造を根本的に作り直し、自衛隊以外の全ての面でも、日本国が自分自身の道をどの国に従うこともなく歩き直せるよう、多国間の同盟を模索していくことによっている。