2019年2月28日

日本国では芸術家は本気で金儲けするしか餓死を避ける道がない

日本って清貧側にいくと徹底的に虐められ、餓死まで追い詰められても誰も助けてくれないとよく分かった。今後は正反対に行く。日本人共に餓死させられる訳にもいかないから道が一つしかない。
 清貧な芸術家像が偉いんだみたいな近代芸術家像を素で履行してると、日本人全般は本気で餓死においつめてきて基本的に誰も助けないので、本気で死ぬしかなくなってしまう。これが僕が20年間画業を続けてきた最終結論なので、純粋芸術を志した人はこのことを真剣に反省し、絶対にやめた方がいい。中間芸術をうまくやれている人とか、商業芸術を素でやれている人とかを軽蔑していたところで(確かに軽蔑したくなる様な低俗さはあるが)こちらは餓死してしまうのだから、真剣に金儲けしないと日本では殺されるのだ、という現実を第一に考え、精神を根本からいれかえ、真逆に豹変しなければいけない。
 真逆とは何かというと、金儲けになることならなんでも肯定し、芸術的だろうがそうでなかろうが何でも構わず、とにかく食う為には誰であろうが邪魔者は叩きのめすという覚悟で、冷静に金儲けという一点に集中し、全仕事を根本的に考え直すという態度だ。それが下品だとかいってきても無視しないとしぬ。場合によってはもう芸術家をやめようが、これまでの埋没費を完全に無視しても、生き残るというか少なくとも餓死しない方がましなので、冷徹に金になることだけしかやらない、一番金になることだけをやるというのが重要である。それが日本で生きる為には唯一無二の道で、他はない。20年間で実体験した。
 芸術を志す様な人間はどこか現実離れしているというか(ラカンにいわせれば想像界だか象徴界だか)、空想理想に浮沈している夢見がちな人であるに違いない。それが創造性の源泉だからそれは維持した方がいい。子供の様な想像力が生きているのは希有なことだ。がより重要なのは金儲けに利用することだ。現実界に無理やりその想像性だか理想性だかをインストールして、人々がこの人は変わってるな? と思う状態を凡人界にもたらさないといけない。避けるのではなくその渦中に特攻し、「やっぱりこいつ天才か?」となるまで、ひたすら空気を壊しつつ金儲けに突入しかないし、それを楽しめないと死ぬのだ。
 とにかくこれは世界でもっとも前衛的な芸術家である筈の自分が見た事実だから、何かの参考になる筈なので同時代を超えて後世の人々にも言っておく。少なくとも凡人は天才ではないから芸術的創作の能力が基本的にない。しかしその凡人らは天才をどれだけ待っても理解してこないので天才は放置され殺される。芸術家を長い間続けてきた人はまず間違いなく何らかの天才だ、それについて疑う必要はない。凡人は創作すらできないのに、何か想像上の物を現実化している時点で天才といっていい。そしてそう生まれついた人は、現実に生きる為に生活費を得る必要があるので、無理やり自分を金儲けにねじ込むしかない。こんなの商品じゃねえよ、とか、売れるわけない、とか、頭おかしいんじゃないの? とか、凡人はあなたが芸術的商売をはじめたら必ず誹謗しまくってくるだろうが、これは嫉妬だと考えるべきだ。逆にイノベーション理論を利用し、金儲け自体を独創的なやり方で自分の個性に無理やり適合させるしかない。
 僕が今書いたことは、特に若い芸術家には絶対に有益だから、まだ芸大美大とか愚者の楽園に行ってもない人達には真言だと思う。真言密教だと思う。覚えておいた方が絶対にいい。僕は自力で20年かけて悟ったが、20年を省略できる。
 売れなくても偉いとかいっている限り、普通に餓死においつめられ、素で死ぬということ、逆に売れたから偉いとは全然いえないしむしろ低俗で凡人に理解できる範囲の物ばかり売れるのも事実だが、重要なのはそういう芸術商品を超えて、商売自体の中に自分の個性を無理やり位置づけるしかないという話。まあ最初から金儲けしか考えていない人達は、逆にイノベーション(革新)を起こすのは難しい。典型的な経歴の中からは凡庸な発想しか生まれない。芸術家を志した人間が無理やり商業界に特攻すると、当然ながら違和感しかないので、最初から革新しか起こせない。それを己の利益追求に一点集中せよ。現実にやってみるとわかるが、はっきりいってドラクエでいえば(わからないかもしれないが)魔法使いが棍棒で敵を殴るみたいなもんだから自分が即死しまくるだろうけど、魔法戦士にすら出世できないとしぬし、何とかやり続けて金儲けのコツをつかんで生き残るしかないという話。たとえになってないが。