何らかの知識を問う大学入試や学位の有無は、人徳の保障では全然ない。信頼に足る知識は客体的なものなので、その習得と人柄の悪さ、悪徳が伴う事例も多い。学歴差別による確証偏見は、自他にとって最悪の極悪人を選好してしまう事もある。特にサイコパスは良識を認知せず、仮に利用しても偽装の手段、つまり詐欺の手法としか認識しないので、学歴によって私徳も公徳も精査できない。
諸知識と人徳に相関性もない。後者は主体的なもので、個々人に帰属する善意の習性や場合による総合的判断なので、試験によって程度を確かめえないのだから。