鈴木雄介ブログ
2018年8月21日
わが茨城
そっと置き去りにした花火や
テーブルの上の飲みかけの麦茶でさえ
夏がおわり秋に近づくなか
虫の歌声にまぎれ満月や
生まれきためだかの子と共に包まれる
一晩かぐわしく香ったゆりの大輪は
私達をも誘惑し散ってしまった
気づかぬうちに通りすぎた台風が
真っ青な空に澄みきった空気を運んできた
清められた町を覆うように
まだ月の出た夜明け前から
蝉たちが最後の求愛の歌に命を燃やす
やがて人々がおきだせば
なにもなかったようわが茨城がはじまる
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