2018年6月27日

金銭の合目的性

他人よりカネをかき集めれば尊ばれると妄想する愚者は、他人を奴隷と勘違いしている。事実はその逆である。カネの奴隷になっているのは、拝金主義者当人でしかない。
 羨望と尊敬をとり違えるのは、徳に認知がない悪人である。成金と清貧を見分けえない人は、貪欲の悪徳とか、無欲の美徳をそうと認めないだろう。
 人は自らの目的に適う程度にカネを得ればよく、その目的が単なる貪欲である様な人は限りない悪徳の道を辿っている。
 羨望を得たい、という俗心は、当然ながら追求するほど空しい。なぜなら無欲に留まる事が究極の誉れだからだ。金銭の合目的性は上述の事象から、他の合目的性に従属する手段なのである。