2017年12月12日

画布

静かに
我らの夜におちている
希望のかけらを拾い集める
一つ一つ
最後の一つまで探した
誰もいない世界
誰からも遠く離れて
この世はかくも息苦しい
どこも俗人で埋め尽くされ
カネを追い求めて日々を過ごしている
我らは孤児だ
この星のどこにも仲間は見つからず
とうとき人を探しさまよった
遂には見つからず
夜の底でばらばらになった心を探し続けた
我らの夜は長く長く
永遠に明けないかの様だった
朝が来ないまま死んでいった人
暗闇の中で盗みを働く人
力を悪用する人々
善悪も分からない悪魔の群れだ
もし生まれくる事に意味があるなら
これほどつらい経験をしなかったかも
まるで地獄の様な日本になぜ生まれた
希望のかけらは落ちついて探しても殆どなく
ひたすらカネを集める衆愚だけがいた
虚栄心
驕り高ぶる俗人が君をいたぶった
宇宙全体から見ても無意味な光景だ
人間がこれほど醜いなら
二度と産まれてこないべきだろう
全ての星々が我らの心を覗けば
そこには空虚があいている
何を許せばいい
一つも無くなった希望も
ただ一人で戦い続ける一生も
それとも永遠の夜を
闇はますます深まり
我らは積もりゆく雪の底でねむる
春がくれば何もなくなるだろう
とうとい人の世界を求め
卑しい人々から離れて暮らせ
意味のないこの世をあきらめ
代わりに四季を楽しもう
巡りくる季節の様に
我らはみずから失われていく
我らは心を失っていく
探していた希望のかけらも
ふりつもる絶望も
全てが失われていく
変わり続けていく
我らはみずからの中に住まわせた神と
とわに理想を描き続けよう
この星のそらが真っ暗闇でも
心の中に希望を描くために
悲しみの雨はやむことがない
色とりどりの夜が降ってくる
この画布の前に居て我らは時と対話する
未来の全ての人々は我らを友とし
よすがとしよう
束の間のこの世に一喜一憂する人々
だが彼らとて消えゆく
みずからとうとくあれ
そしてそれで十分だ