2016年12月1日

業領域

功徳と来世代には遺伝的近縁性という領域がある。故に業は返報の近さについて、ある時空の中で領域的である。但しこの返報の近さを除けば普遍的で無限定である。
 業が領域と無限の両面をもつ事が、来世代に関する仮言命法と定言命法、両分の動機である。遺伝的近縁性は来世代の意識を、肉体的に定義している。また来世代の置かれた文化素は、この近縁性を環境抵抗中の生活形態において補完する。無限定な普遍性は業の本質を内容するが、返報性が遠い時、人は仮言的に振舞い易い。しかしこの返報の遠さ、遅さは、結局の所、返報の影響度が薄い時と濃い時に分かれる。前者について人は罪悪感を持ち辛い為、旅の恥は掻き捨てという諺が存在するのだろう。無論この諺は悪徳である。旅の恥は掻き捨てるべからず、飛ぶ鳥あとを濁さずが善といえる。そして共有地側は記録性によるフィードバックによって、ただ乗りや悪意ある有害行動者を排除するか、少なくとも前世代を見分ける事がある。歴史は共有地の徳である。