2016年8月18日

人倫論

極悪人は滅亡し、裏切り者は死に、愚人は不幸に沈む。学歴は知恵の証明ではなく、性格の悪い人は憎悪される。利己的な人は下卑、傲れる国々は落ちぶれていく。道徳を鑑み、人道の為に生きる者は幸いな人生である。
 貞操は不可逆反応であり、不貞となった人々は堕落し続けていく。
 性欲で子供を生んだ人達は子育ての重い労苦を背負い、理性でそうした人達は当の労苦を軽減させ、道徳で子供を考えた人達は道徳の程度に応じて苦労か楽をし、独身のままの人達は気楽さを甘受する。よりよくなっていく国では性質のよい子供が殖え立派な名前を与えられるが、より悪くなっていく国では性質の悪い子供が殖え卑陋な名前を与えられる。衰亡する国は人口が減り、滅亡する国は子供がいない。
 性欲は孤独を解消し、友情は知恵を与え合う。子供や家族の多い人達は、賢い友達の多い人達に比べて低俗な傾向がある。人々は知恵の程度に応じて幸福である。劣悪な国で暮らす幸不幸は、優良な国で暮らす幸不幸と比べるべくもない。人類は知恵のできるだけ高い仲間と暮らすのが最良で、道徳で子供を考えなければならず、人口比ではなく賢愚の度合いで住まう国を選ばねばならない。