2015年9月18日

文学論

源氏物語を評価している人間は、一様に悪趣味で品性下劣である。平家物語を評価する人間は、少なくとも高貴である。要するに卑しい人間が源氏を、貴い人間が平家を評価するが、それらはそのまま作品内容の好みに現れた、人間性の違いである。源氏物語は好色な皇族が自業自得で転落する喜劇、平家物語は高潔なる武士が運命によって裏切られる悲劇である。