2014年8月25日

既存教祖論

ゴータマの悲劇的人生観は、イエスやムハンムドといった聖者に比べ信仰というより心構えといった類いの心理術であり、何らかの超越的存在者を仮定していない点で独創的でもある。ゴータマは世界を元々高位の身分からの利他性に可能な限り、無限定に家族社会化しようとした。よって、原始仏教は貴族義務論に等しい。イエスやムハンムドは庶民出身の為、うらみを別の公益論へ昇華した。
 天皇は自身を中心に、継続搾取と権力支配のもとで封建家族的な中華世界を作ろうとしてきている。天皇は教祖を世襲にしてきているので、その継時的な生活感が信者兼国民の模倣対象となってきている。天皇の体制は自己を国家祖に仕立てた国民国家への政治的寄生であり、そうな限り慈愛の範囲も彼を祭り上げる人々へのみと限定的である。侵略や権力者の利用を常套手段としてきた天皇の政治手法は、かつての聖者らと比べ自己血統の神格化の衒いによる権力信仰をもたらしてきている。世襲教祖で且つ最高権力を志向してきている為、天皇権力は政治と宗教の一致、即ち烈公『弘道館記』の祭政一致による神道原理主義政権を準備した。