人は女学生と猫。時は夏の終わり。所は筑波大学前のひとけのない大きな銀杏道。
女学生:だからいったでしょう。ものごとはそこでおわり。それ以上どうなるでもない。もうとおりすぎてきたから。
猫:もしそうだとして、いまからどうやってたてなおすの? もうなにもかもとけて、きえてしまおうとしてるよ。
女学生: それならこうしてとまっている理由もないよ。きえてしまうだけ。なにもとまってない。それもすぎていくの!
猫がすわる。月が出る。夜。自動車が赤いtail rampをえがいてとおりすぎる。少し間があり、もう一台とおりすぎる。しずかな通り。朝焼け。猫があるいていなくなる。