鈴木雄介ブログ
2012年2月26日
詩学
嘘をつく技術とみたときの文芸には、まったくなんの価値もない。婉曲や暗喩によって弾圧されている真相を暴露する手法としての物語、つまり史伝ではない何事かの虚構は、真実以外をかたる機構へ転用されてしまってから誠実なみわざであるのを辞めてしまい、人々から重視されなくなった。娯楽という分野で虚構が演じているのはこの物語の悪役振りというものなのだろう。
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