海洋汚染で広範囲(最大で日本国の太平洋沿い一帯、中国北部や一切の太平洋沖、ロシア最東部)に及ぶ公害があらわれるのは時間の問題といえる。第一に、海産物とその稼業で生きている人々への最大限の補償と賠償責任が講じられた末に、早急な「海産物摂取制限」が決められねばならない。
海洋の汚染は拡散により土へのそれよりはやく進みはやくきえる傾向があると推測しても、特に深海生物などへの特定の放射性物質の蓄積があったばあい公害が長期に及ぶのは目に見える。
東電の国有化は単に時間の問題であり、できるかぎりはやくその手続きを進めねば結局公害のひたかくしによる外部不経済と致命傷がひろがってしまうばかりなのはチッソ他の既存の事例でもはっきりしている。もし全額を補償にあてても、とてもではないが東電株式のみでは賄いきれる可能性はまったくない。
海洋汚染は臨海全ての海へ依拠した生活を破滅させるのと同時に、もれだしている汚染水は空中の汚染物質の拡散とあわせて土壌をほとんど半永久破滅地としてしまう。これらの買い上げと賠償だけでも東電全保有株式の全額をはるか超える。後手後手にまわると水俣病よりひどい結末へいざなわれないとはいえない。