2010年12月6日

東京人記

嘗て東京の土方に喧嘩売られた事あり。この土方、吾の注意する親分を庇う余りに吾と衝突す。東京の人種これ正不正に覚らず、単に上下関係のみを認識しおる、東京にごく悪き稼業多き理由之也。
 要は江戸っ子人種之一般に周辺の関東地域より知能低く善悪を知らず、単に群れて大勢のまねをす。醜悪なる習癖多くその修正を行い得ぬ江戸風の訳乃ち低俗なる場所の誘因、人数多く雑駁なる雑居生活体験からの淘汰故に善悪の別、知能の聡きより群れる習慣の強度を品種差とす。

 この土方と異なる二十代の若人、前職大工男娼客引き等を行うとの噂ありきやはりいかにも東京らしい俗物吾間近に観察する機会ありし。かくの無関係なる人物も前土方となんら同然の習癖ありき故に嘗ても江戸の全域に普く群集心理ありしかと吾勘繰るなり。