2010年10月30日

あまごゝろ

すでになきまちのかおりの栞かな
ときのうつるうちにかわれる団扇かな
かわりなきよるの岸辺にお月様
すぎさりしときをせしめる夕陽かな
みやことてかみのまなこにひとゝきぞ
あいづのおくのお墓をめぐる正しきこゝろよ
やまぐちのはかりあさけりきみの服
ひとのすむしまのせまけりこゝろざし
落ち葉踏む音の響く空蝉のそら
あづまにていやしむきみはいまどこぞ
きのはなきあすのいり口ひらくたき火
人はみなあまごゝろのもと過ごせる子
母校の人のかわらぬ気風冬の街