大昔ここには大きな柱があった
誰もそれをしらない
今では自動車が走るどこにでもある
つまらないくだらない路面
アスファルトの分厚いそこへ
大地の底から大宇宙の渕へのびゆく
一本の柱があった
誰のためにたてられた
ものなのかもしれずそれは
大雨に耐え大嵐に負けず
うてな風をいなし地響きをはねかえし
この大土の息吹と共に呼吸してきた
はるかな青空をみはるかす大柱
もうそこにはなにもない
あるのは人間どもの畏まった巣ばかり
アジアの住民はどこもかしこも汚し尽くし
挙げ句にはあの柱のありかさえ
忘れてしまったのだった
我々の天を貫きつづけているあの柱を