2009年12月4日

地球市場動向

某国貿易の成長率のなかみは、日本か韓国から導入した技術集約型の原材料を国内でくみたて加工し、これを人件費のはなはだしい安さでごみ捨て式に、EU圏という購買力ある市場へ大量投下することによる。
アメリカ国内との貿易による伸びは、思いの外たかくない。これは孤立主義の米内ではもともと貿易嗜好が少ないうえ、穀物取引との交換をのぞけば、純アメリカ国内製の製品よりも、大量生産の原理と輸送費込み卸値を勘定し、総合して安いこともないからなのだろう。
つまり、実質は「アジアの工場」であり世界の工場ではなく、さらにいえば日韓とタイワンの移築工場地であるにすぎない。ホンコンが例外だとして、そこは一種の民族自治区なのであり、某国の一面をうつしだしているだけでまったく全体を説明しない。

これらの推論で私の発見したことは、EU圏がなんらかの恐慌でbloc経済を敷いたら途端に某国の成長率は急落し、バブル化して暴落に変わるだろうということだ。
なぜなら、食料や情報商材とことなり工業製品については購買力担保のない過剰生産による失業率の救済が働かないので、この輸出依存の平価ベース成長率とは母市場に依存するまやかしの膨張であって、国内の多くの階層へその所得が分配されないかぎりはどれほど成長率を誇示してみてもゆきつく果ては、抱え込んだ労働難民の貧窮なのだ。
共産党独裁の終了点はこの予測とまったく一致するだろう。そのとき、某国は没落するだろう。そしてこの際に起こる暴動への介入による救済をはかるかどうかは、おそらく米国の高級官僚および各ユダヤ資本の動向が左右するだろう。
ナチス以来の資本流動性の最高高が米国にあるかぎり、地球市場はそこを中心として回る。そしてこの歴史運動に対して日本の執れる立場は、東南アジア市場のその時点での平価支配力によるだろう。

 最も確率の高い変動は、EUへの打撃が米市場とインドとの旧英語圏での昼夜おかぬ協調ではかられた大幅な情報産業の優位をくずしえないだけ、いわば後進地化しだす瞬間である。
おそらくこの瞬間は、英米間の属した母市場に関する過去をひいた反目と、それにともなう国連内での米の単独行動化によるだろう。
具体的には、石油利権の強化が中東地域の一体化で現実のものとなったとき、イスラエルを守る必要のある米国は特に内陸国としてのメタン資源に恵まれないドイツとの利害関係から、国連決議における欧州覇権から離脱する。この際にEUは先にアジアを押さえ込むため共通貨幣を援用したブロックで世界の三分割を行うはずだ。

そして行動原則として受動的なインドは、もと宗主国との人種論のつながりも意識して某国より米国と協調する。よって某国はもともと対内的に仮想敵国視させてきた日本を少なくとも国際市場から排除しなければならない。
この結果、某国輸出は激減し、また原材料としての技術還入もせき止められるので行き詰まった左傾過激派は、対外侵略で販路拡充を主義せざるをえない。
日本は可能なら中華思想で抱え込むだろうが、もし日本が防衛戦を張る風を在日米軍誘導か警察防衛でみせるならその被害をかんがみて、まずはチベット自治区、つぎに朝鮮半島、それからインドへ睨みをきかせて西への侵攻を試みるだろう。
 これらを市場の動力学としてみわたせば、日本が市場において現時点でとっておくべき最良の手は東南アジア諸国の購買力平価を寡占し、その母市場の規模を某国の崩壊以前にできるだけ強化しておくことだ。
そうすれば侵略化した独裁政権が海上貿易を封鎖しようとしても、少なくとも対米協調を連盟か条約で図ることで輸入すべき食糧資源確保と、タイワンとも共通の燃料源の護持を可能とし、そして各連合同時恐慌につながるだろう最もおそるべき消費力激減によるハイパーインフレ、それに先立つ日本一国についてみれば最悪の“孤立鎖国化”だけは、母市場人口比購買力の十分な大きさで避けられる。

もし孤立鎖国が現実のものとなれば、資源の極端な少なさなる特殊条件のある我が国は、某国の持久戦によって侵略される可能性も十分ある。
食糧と資源を絶てばその極端な左傾かいつもの右傾によって自動的に内紛か戦端が現実化するであろう。そして大規模な資源を背景にもち十分に機械装備で近代化された軍備の某国とは、もし米国が傭兵を撤退させるか消極化させNAFTAを中心とした流通ブロック化をはかれば持久戦において粘り切れる可能性も低い。

『大平洋市場の指導者』としてふるまうかぎり、日本には米大陸と隣接した母市場のうえで存続性が保たれる。しかしこれを手放したりなんらかの勘違いで突き放せば、その地位はより野心的な大国に侵略され失われゆくであろう。