科学の細分化でも不動な基礎となる構えは、最も原理では数学、物理学、生物学の三本柱であり、さらにもう一段階ひいてみわたせば数学、天文学、物理学、化学、生物学、社会学の六つとなる。これらは基本科目と呼んでいい。この他にはいくつかの学があるが、おそらく今後とも知識の諸分野は無限に細分化されていく趣にあるので、それらの非実証論との混同、つまり殆ど実験で確かめられない擬似科学とのまざりあいを事前対策しておくには、学という言葉の濫用をふせぐべく単に知識という名義を冠しておくといい。我々がもし同様の食品成分の微化学分析を行ったら例えば該当食品の知識、とかその知とだけ呼べば巨視観や大局観は保たれ、今後とも殖えつづけるだろう似て非なる実験では確かめえない証明という手段をもつ数学以外の知識分野への検証に一々手間どることはない。