2009年4月23日

メタン革命以後の最有力株

ほぼ無尽蔵で甚大な電力が補償された商業環境では必然に、労働力需要は減退する。なぜならこの溢れる仕事率は単純作業の自動化を急速に推進させるからだ。
(たとえばユニクロやギャップの登場で潰滅した中小の軽織物産業のように、幾つかの最もすぐれて自動化に成功した大企業へと資本の回転は集中するだろう。)

 そこで最大の進歩が見込めるのは情報産業だろう。もし単純労働の必要が少なくなればなるほど、我々の能力は如何に密度の高い複雑な情報を機械へ行わせ得るか、すなわち「経営性」に結集していかざるをえない。
だから資本制の元では経営者層へ資本および能力としての国民所得が必然に集中することとなる。その偏差は一般に、なんらかの調整機能が働かない限りは永久に縮まらないだろう。
――つまり、富の集中は電力多産にともなって必然に増大する。肉体労働者層がこの面で得を被ることはその有する家電製品の省運転代金という部分以外には求まらないのだから。そしてそれは機械化の得点を独り占めできる経営者層と比較になる規模の家計負担軽減ではない。

 もしこの道理が国民の多数派にも認知される時が来れば、彼らはどうしても不平等への対抗として「福祉国家」を要求しなければならなくなろう。
各種の公共財を国有か公有として無償化することで自らの以前と変わらない程度の分け前以上はなんとか守ろうとするだろう。さもなくば彼らの失業は疑えないのだから。

我々はこの予想を元に、現状から「教育産業」が各種情報産業のなかではもっとも先に進んで需要およびその学位提供価格の高くなる将来を見通せるのである。というのも、仮に大学教育までが無料となれば経営力を身に着けるか、その高度情報産業社会環境での希少化した雇用需要へ最大に有利となる小数の名門への就学または学位取得希望がみるみるうちに増大するからである。
――ある程度より賢明で、子孫への投資を惜しまないくらいの財産をもつ中流以上の国民ならばその最低級よりは高尚な地位を彼等が十分に成人するまでなんらかの教育的配慮で保証したくなるだろう。国家の支配が一元的な政府下でつよい調整機能から世襲を実質的に不利とすればするほど、評判また特権階級の造られ難い常なる能力間競争による急速な実務経験値の暴落から同系列の跡継ぎが難しいほどそうだろう。ゲイツ家が三代続けてマイクロソフトを経営するよりは針の穴を、あるいはハーバードの門を彼等みなが通る方が時代の更新速度にずっとかなっていそうだ。

資本制はそのままで工業的前進を続ければ必然に『特権教育の価格』をつりあげるのである。ここから、ブランド校というものがメタン革命後のしばらく資本を集中投資する為には儲けの上がる最速の判断となるだろう。そこには某国の富裕層の多ければ多いほど、流出する留学生を予想して海外投資をも含められる事情だろう。
中国から日本への留学は米国へのそれに継ぐ数であろうから、国内の小数のブランド校はしばし異常な騰貴を見るだろう。