2008年10月4日

大学に於ける研究と教育

近代の知識大全型大学であるUniversityが風変わりなのはそこでは研究と教授とがほぼ一体化していることだ。教授と研究室が同じなのは不可思議な馴れである。しかし能率という面から、或いは教育適性と探究適性とが必ずしも同じ理念ではない事情からしても、将来に渡っては学院と学部とは異なる機関へと分業して行くのが道理だろう。常識に照らしても真実は事実とは異なる。前者は教授ではなく研究者を養成し、後者は専攻を中心とした教養を与える。そして教授資格という事も俄然、研究員とは別項に要請されねばならない。これ専用の実績および面接諮問が大学毎に設けられて良いと思われる。無論学問独立を考慮して統一国家試験は無理な事である。
 学ぶのに有能だからとはいえ教え方が上手いかどうかは、たとえば教員と学習塾講師との違いにも似る。我々は統合大学という理念を研究項と教授項とに分けて考える、より新たな習慣に至るべきだろう。各種の高等教育は民間の独学を含める国民の学問能率を高める為に絶えず再び整えも崩されもして構わない。知識の伝授を緻密に社会神経化する機関名が教育であるからには。