2008年10月29日

桜の木

都市計画へ最大の教養を求められる長期計画には在野の賢者に指示を仰ぐべき場合もあろうに、官尊民卑の弊害は上からのクリアランス文化を未だに引きずり、あっという間に様変わりする下らない建物、場所へ金持ちになりたい一心で破壊に接ぐ破壊へ拍車をかけるばかりである。美しく咲いた桜の木を切り倒し、幹線道路を通した君達はワシントンの足下にも値せぬ言い訳ばかりだ。なぜその一本の木すらよくも遺せなかった君達に未来の安定があるだろうか? 足元から崩壊するバベルの塔に住まう心地は、その桜に一時留まる鴉より儚いのか。いざ誰が君達の故郷を守るものであろう。君達自身さえ風景を守る意志がなければ、匠の証拠さえ漫画の一話に綴じられ東雲と消え去るのみだ。遺すべきと遺さなくて構わないとを見分けられない君達は趣味の高が知れたもの。