経済体系の高度の複合性が、社会型哺乳類の辿りうる専ら有効な合目的性に思える。民族という単位も、この世界的複合を益々増強する為に必要な細胞と見立てられるだろう。如何なる科学知識であれ社会生活の合理化という自然法則への順応をもたらす。工学は尚更、人倫の範囲へ限りなく最適化しながら自然法則を人間へ応用せしむ。
人工性を不自然と考えることはできない。それらの自然界における形態地位は系統的進化の法則、散乱と淘汰に寄り添うのだから。我々人類に為し能う最高の営みは経済体系の緻密と拡張という慎ましやかな理念にありそうに思える。現実に、その普遍さこそ往古を総べて生物一般の合法則性を理由づけるに十分な宇宙の展開である。より単純な生態を共生進化の経過で自らの消化器官へ積極的に取り込むのが、生命体の有機的行動パターンを緩やかな燃費として多機能化し尚も延長する原理。
能率、主に生態を改良する方法は唯一、能率へ見出せる。進化を誘発するのは消化能率の向上と考えられる。複雑な消化組織を体系的に運営できる能率が、生態の必然に目的とする性選択の方角となる。