2008年5月5日

経済論

経済とは我々が熱平衡状態を合目的に芸術化しえる、という概念である。自然なる概念が許容する範囲とは、生態系における熱平衡収支が人間の適応力を超えない、という限度にある。
 従って、単に熱効率の審美技術においてのみ、経済度は量れる。この総量に落ちる文明はより衰退の危険性が高いと考えられる。自然の熱平衡はある閉鎖系をより経済化する様に働くからであり、よってこの生態系遷移から零れて行く人間社会は低次消費力として保存される一部の形態以外について淘汰されて然るべき。言い換えれば多様性の原理は熱平衡状態の更なる経済化という絶えざるentropy増大則に違いない。それがより審美表現に劣る系を運命選択して行くのが自然なのだから。
 我々は人間社会を自然の審美原型と可能な限り一致させねばならない。そうすることで経済技術を絶え間ない改良主義に基づいて処するべき。自然は完成された経済人をのみ許容する。なぜなら理想の彼らにおいて生態系の熱収支は再び高度の均衡状態を回復するから。