平和主義とは、軍事的には『一国平和主義』のいいかえである。
それは経済開発と言論啓発によってのみ、諸外交をたちゆかせるという日々あらたな国民意志表明なのである。
この点でわが国は、時に及んでは侵略を辞さないアメリカの外交とは全く正反対な国務を有する。
もしも国内平和が完成された「文明の日本」に至れば、その存続自体がこざかしい軍事大国より遥かに諸外国の尊崇にあたいするであろう。
たとえ米国迎合により自衛権の名目を巧妙にかぶせたにせよ、軍事力による外交は一切打ち切りの方針こそ又、〈悪辣な日本人〉という儒教圏の偏見から信頼と名誉を回復するもっともよいやり方なのである。