2007年12月7日

言語論

既存日本語の長所。
・各世界文明最高潮の源流に忠実な文化保存、よって、外来語の安易な浸蝕を許さぬ文字分別を示す。
・言文交響の理想に向けて各種仮名を隠された発音記号に用いる賢明、表音と表意の調和度を高める民族日常の工夫。
・Alphabetより純粋表音文字体系をしかも二種類保持している事、1音1字発音記号の日用によるnativeの文字学習し易さ。

 欠点。
・例えば漢字に比べて草書体である限り、平仮名は格式を持ち得ない。

 この欠点解消の為には、我々は片仮名性を誇持して然るべきだろう。片仮名は漢字の省略体であり草書ではないので、意図すれば「永字六法」を援用し楷書漢字同等に格式化できる。言い換えれば、審美的に評して、漢字草書たる平仮名は読み書きし易さに最適化された文字だが、漢字省略たる片仮名は格好に最適化された文字だからだ。
 よって文字に単なる美意識性が多用されている。例えばコという文字は記号に限りなく近い。それは己の省略体として、草書体の「こ」に比べて、単なる審美的な処理方法に基づくからだ。画数の丁寧さや筆運びの潔さ、及び万葉仮名として漢字に併置しても思わず見間違える格式を持つのは、本格的男手であると認めざるを得ない。人工形態における直線や直角への要素統括は個性の入り込む余地を退け、一途に普遍化を志向する。これはalphabetにおける筆記体と、大文字の関係に似ている。片仮名は和文の大文字として働く。
 いずれ我々自身、在来のもとの言葉がいかに外来語では表現不可能な構造定義を限りなく留めるか悟るだろう。例えばアワレはいかなる他の言語にも表現できない。従って、伝統ある言葉は外来語以上に価値ある格式語として尊重すべきを知るだろう。

 日本語は、
真、片仮名
行、外来語真名
草、平仮名
という三者の調和を目指して独創的な文化を育む。

 Roma字表記は我々にとってインド・ヨーロッパ経由の外来語を表意的に消化し易くするが故に貴く、自体が我々にとって一音一字の格式片仮名以上に美しく価値ある文字とは考えづらい。従って、英語由来の言葉への日本語内発音記号にはroma字表記を用いて行くをより良しと為す。例えばEnglishには(ingulisshu)という発音表記が適当する。Ratin語とは精密な表音体系であるから、英語の歪みを日本人から正すRatin語学にも繋がる。少なくとも漢語化しなかった分はそのような手間をかけても差異化する事で、複数文字兼用の多様を和文内部で最大限活かし、未来の適応土壌に再び余裕を開いておく事になるだろう。既に例えば片仮名表記の和製英語としてパソコンという言葉が浸蝕を及ぼしているが、pasoconと書くだけでぱそこんと書き間違う幼稚な混同を防ぎうる訳だ。パソコンとはpersonal computerの略称だが、PC(piicii)に対してより表意的な用法と呼びうるようなラテン文化的な国際性を後々迄まというる。
 我々はRoma字発音表意を近い将来、漢文由来語へのカタカナ記号に対する英語由来のローマ字記号として用いるべきであるだろう。というのは、漢語と英語を日本語内部で見分ける事は単に混ぜるより地球文化的だから。