2007年6月8日

文明と都鄙

全ての文明環境は不完全であり、あらゆる子供は未熟な環境で育つ。それでも古代よりは少しくらいマシだ、と諦める他ない。そして彼らは自らが働いてより良い文明環境を築きあげ、子孫の代ではより居心地よく育ちえる様に工夫を凝らす。だから反抗期の若者が自らの育った不条理な世界に不満を懐いたにせよ、それに気づいて解消してくれる人物は未来の己れの他にいない。いわゆる不良が成長前の段階に留まる青年ならば、彼らが大人になる過程で感じた矛盾こそ、成熟した人格の基になるものか。
 自然に溢れたいなか町の方が屡々、過剰な都会の軽薄な盛り場よりも子供にとっては好ましい遊び場に満ちみちている。よって文明とは必ずしも都会化ではない。むしろ人間の意識についてのみ、civilizationの定義はある。例えば大都市のスラムより小ぢんまりとしたニュータウンにおける方が人が良い様に。