2007年3月1日

建築論

具体的建築における脱構築主義は、流用を独創性に対して提議した点に芸術史学上での意義がある。審美術に於ける、ではない。複製を芸術行為の側面と認めなければウォーホルを精密に理解できない。
 建築はアリストテレスに則る迄なく素材の組み立てである。工業建築が既製品の構成である限り、建築家の主要な独創は取り合わせの妙にある訳だ。
 或いは全ての材料が我々以外の自然からの拝借であるから例え人工素材でさえ結局は建築とは作庭的抽象の近似作為たらざるを得ない。乃ち、究極では建築行為は全て単なる再創造である。創造は創意工夫という構成の適意の範畴にのみある。土木と都市計画の間には規模と造型的エントロピーの違いしかない。