2007年2月17日

不幸の意味

生産のみならず消費や交換も含めた産業が順応を要求するのは自然。これは創造性に対している。
 人間の創造性を体制自体が抑圧するのは秩序に向けた安全弁だ。大多数の平凡と少数の傑物との間でしか社会秩序の健全な維持促進はあり得ない。なぜなら指導的な範囲は体制にとって半数以上でなければならない。
 この様な思索から、我々には社会矛盾という不条理が却って彼らの暇つぶしに働き、結果として文明化の能率に貢献することを疑わなくなる。
 しかし不条理の最小化、福祉が文明の基本目的であるから、また抑圧として感得されるような人間の不幸は、命を奪わない程度には多少あれまた必要。
 この認識はすこしも不条理を擁護するものではないことに注意せよ。社会矛盾の根本因は文明度すなわち一般世論の知徳程度であり、この時代差異においてのみ人間の定義もある。