2006年10月31日

芸術論

自分の拙なる過去の作品を破棄する方便、寡作であるほど希少なのだから、功利より未来の歴史的価値を重んじるならば君の制作物自体を積極的に捨象せねばならぬ。時代が君に追いつかないうちが機会なのだ。自身技巧の成長に伴い、過去に手を染めた己の下らぬ作品を可能なだけ破壊すべし。それらを滅多なことでは散逸させるな。既に行われた場合には諦めて然りといえど、強い意向がなければ安易に譲ることもあってはならぬ。業績中、最も優れた栄光と信じる一点についてのみ養護せよ。