2006年10月4日

芸術論

人工物は抽象的操作。つまり、自然の現れを調整して彼ら固有の構想力を遊ばせる様な形態変形。そこでは自律理性に由来した多様さと、幾何的普遍性とが協業する。あらゆる人工造形はこの範囲にのみある、と仮定していい。それ以外の芸術は科学技術の部類に入る、としよう。それなら多様と法則の関係性を、ある趣味の発現の元に総合する様な遊びを美術と呼ぶ。そして美術におけるうつくしさとは、この芸を遊ぶ才能のものであり、それは理論と実践を媒介する技術的処残。形相として象徴化された芸術は作家本人の思想に他ならない。だから天才とはその思想であり、技巧は優れた思想のもとに存在する。